2022年4月
中山間地域フォーラムの会報vol.8が発行されました。会員の方はPDFファイルを会員ページよりダウンロードできますのでご活用ください。
今年度の会報では「新たな農村政策をつくる」を特集しています。
田園回帰や関係人口の潮流に加え、コロナ禍に伴う地方移住の動きも出てきて、かつて消 滅の危機も懸念された中山間地域が「再生から未来への創造」に向け新たな展開を始めてい ますが、地方自治体や地域では人材が不足し、最新の知見や情報も十分届いていない状況に あります。
このため有識者がネットワークを組んでボランティアで支援活動を行っている「中山間地 域フォーラム」(生源寺眞一会長)では、このたび、中山間地域に関するわが国初の「白書」 として国民の皆様に理解を深めていただけるよう、また地域おこしに携わる地域リーダー、 自治体職員、地域おこし協力隊員、大学生、高校生等の活動のテキストとなるよう、わが国 初の「中山間地域ハンドブック」を刊行しました。
内容は、佐藤洋平東京大学名誉教授、生源寺眞一福島大学教授を始め、農村での実践的活 動にも取り組む第一線の研究者やジャーナリスト、地域リーダー、元町長など実践者がボラ ンティアで執筆。歴史・課題・データ分析に続いて、「田園回帰」「半農半 X」「関係人口」 「田園文化」など 36 のテーマでコンパクトに解説するとともに、全国のユニークな事例、 経験豊かな識者の刺激的な提言を盛り込んでいます。いわば中山間地域おこしの教科書・辞 書であり、考えるヒント満載の内容になっています。
なお、このハンドブックは、中山間地域に熱い思いを抱かれた一市民の方からの遺贈金を 基にしており、若い人にも広く読んでもらえるよう中山間地域フォーラムも印税を受け取ら ずに定価を抑えています。
「中山間地域ハンドブック」
- 監修 佐藤洋平・生源寺眞一
- 企画・編集 中山間地域フォーラム
- 発行 農文協 定価 1980 円(税込)
【目次】
Ⅰ 中山間地域とは、その歴史と課題
Ⅱ データで見る中山間地域
Ⅲ テーマで見る中山間地域の課題
《戦略》 地方創生 人口動向 脱炭素と農業 田園回帰 地元学 粗放的土地利用
《くらし》 集落機能と資源管理 地域運営組織 小さな拠点 農村医療・福祉 学校教 育 鳥獣害 農村景観と田園文化 棚田保全
《しごと》 農山漁村発イノベーション 地域経済循環 特徴的な農業 自伐型林業 6 次産業化 起業・継業 半農半 X グリーン・ツーリズムと農泊 エコミュ ージアム 再生可能エネルギー 新技術の活用
《人材》 地域リーダー 外部人材 社会教育と公民館運動 関係人口
《政策》 農村政策の新展開 中山間地域等直接支払制度 日本型直接支払制度 条件不 利地域対策 EU の共通農業政策 自治体農政 地域政策の総合化
Ⅳ 地域事例に見る中山間の近未来
島根県邑南町、高知県梼原町、宮崎県西米良村、山形県飯豊町、群馬県南牧村、岩手 県西和賀町大野集落、 福島県鮫川村、長野県飯島町田切地区、熊本県菊池市きら り水源村、宮崎県美郷町渡川地区ほか
Ⅴ 中山間地域再生のポイント―私はこう考える―
多田朋孔 役重眞喜子 佐藤洋平 生源寺眞一 野中和雄 村田泰夫 小田切徳美 守友裕一 藤山 浩 矢野富夫 太田信介
1.上田女子短期大学 木俣 知大 氏
「森林サービス産業」の考え方とその概要
〜農政と林政の共創を通した「山村振興」等への期待〜
2.長野県林務部森林政策課 小澤 岳弘 氏
森林サービス産業
長野県における支援施策の状況
3月2日(水)14除~16時に本年度第2回目の研究会(森林サービス産業~展望と課題~)の資料(PDF)を公開しております。
2021年5月18日(火)に開催させていただきました2021年度の第1回研究会の 登壇者資料がダウンロードできます。
2021年4月
中山間地域フォーラム
会報No.7が発行されました。
会員の方は会員ページよりダウンロードできます。
新しい食料・農業・農村基本計画が2020年3月31日に閣議決定されましたが、この計画に、フォーラムの政策提言「総合的な農村政策の再構築を!」(2019年11月)が別添対比表のとおり反映されました。
計画内容にはなお不十分な点や残された課題もありますが、旧計画に比べると大幅な改善が図られており、フォーラムとしても大いに貢献できたのではないかと考えます。昨年来のシンポジウム、研究会、提言等にご協力いただきました会員及び関係者の皆様に心から御礼申し上げます。
今後はこの新しい基本計画に書かれた政策を迅速かつ効果的に実現していくことが重要であり、フォーラムとしては、今後ともその動きを注視し、全国の中山間地域の皆様と連携しつつ、現場目線に立って活動して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
2019年11月19日に公表しました中山間地域フォーラムの政策提言「総合的な農村政策の再構築を!-食料・農業・農村基本計画の改定に関する緊急提言―」(全文)が、立命館大学の2020年度大学院入試問題に使用されました。なおフォーラムとしては著作物の2次利用の依頼を受け許諾しました。
中山間地域フォーラムは、このたび政策提言「総合的な農村政策の確立を!——食料・農業・農村基本計画の改定に関する緊急提言——」をまとめ、11月19日に生源寺眞一会長から末松農林水産事務次官へ手交しました。また同日、記者発表を行いました。
食料・農業・農村基本計画は、今後の農村政策のあり方を決める重要な計画ですので、市町村や地域の農業者や住民の皆様及び一般国民の皆様にも積極的な関心を持っていただきますようお願いいたします。
なお、本提言は、フォーラムが6月に開催しましたシンポジウム及び10月に開催した研究会の成果を反映させています。ご参加いただいた皆様に改めて御礼申し上げます。
農文協ブックレット『はじまった田園回帰』。白熱した昨年の中山間地域シンポジウムの記録です。解題・コーディネートは小田切徳美先生(明治大学)、報告 は藤山浩さん(島根県中山間地域研究センター)、石橋良治さん(島根県邑南町長)、土屋紀子さん(島根県益田市匹見町)。
定価(本体900円 + 税)
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「人口減少=地方消滅」は中央からの罠。「あきらめ論」「農村たたみ論」「一発逆転論」を克服し、「人口と所得の1%取戻し」で女性と子どもと暮らしが輝く島根県の事実と実践に学ぶ真の地方創生